よってって

なんでもかんでも 見たもの聞いたもの作ってみたもの

ニーチェさん

2018/2/17
丸1日暇だったので、東京メトロの1日切符を使って散策。
主な目的地は2箇所。
青山 Found MUJI と 東京駅
就活もあって、色々街に繰り出して観察しにいっている
別に今に始まった趣味でもないけど....
青山 Found MUJI
そもそもFound MUJIとは、無印良品の中の1つの事業で、
世界中で長く使用されている日用品を見つけ、
その長く愛用される理由を探り、学ぼうという試み。
またそれを少し手直しして販売もしている。
どうやら1階は2ヵ月に1度のペースで展示物が変わるようで、
今日は「BOX3」という題目で北アメリカの工業・農業の現場で長く愛用されている「箱」にフォーカスした展示だった。
やはりどれもシンプルな造りで、用途も多岐に渡る、かつ耐久性も高い、
いかにも『MUJI』な品。
商品陳列というよりは、もはや「美術館」のような魅せ方で、
商品のみならずそれらが現場でどう使われていたか現物で展示されていたのも印象的だった。
店頭にもテーマを表現した展示ブースが設けられており、
見事にその世界観を表していた。道ゆく人も目を惹かれていた。
そんな青山Found MUJIの1階には、こんな言葉が壁に刻まれていた。
「古いもの古くから知られていたもの、
     あるいは誰の目にも触れていたが見過ごされていたものを
       新しいものかのように見いだすことが真に独創的である。」
                                                  フリードリヒ・ニーチェの言葉である。
 新しい価値を生み出すために、
「今までなかったものを産み出す」
「より便利によりコンパクトに」
「もっとラクに効率的に」
「もっと早く大量のデータを処理」
と言ったいった内容に最近どうしても懐疑的になってしまっている。
この100年で人類はどこまで進歩したのだろうと最近よく考える。
指数関数的に進歩していく人類に少し恐怖さえ感じてきている。
例えば200年前の日本を調べてみれば、伊能忠敬が日本地図を製作しているころ...
IoTの導入でそのスピード感はさらに増すのだろう。 

「人類よ、そんなに急いでどこへ行く...」
こんな懐疑を抱いているのは自分だけなのだろうか...

きっと今の時代、人々は日常の中に見過ごしているものが
その時代のスピード感と共にどんどん増えているような気がしている。
それは新しい刺激を前に埋もれている。

一方で話は逸れるが、感覚的に人々は今「暖かみ」を感じる場所を求めているような気がする。
東京駅でも感じたが、光の使い方を見ていると、
とにかく明るいというより「陰」だったり、ぼやかした光、
光源を隠して薄く下から照らすような灯りが最近流行りの場所には目立つ。
感覚的に持った感想だが、ぼんやりしたような温度感が時代の進むスピードに疲れた人を惹きつけているのだろうか.... (写真: 東京駅 最小限の光だけ、陰がいっぱい。そして暖色系ばかり。左下の案内板含めて、ぼやっとした光が目立つ....)
ニーチェさんは、今この冷凍都市のど真ん中東京の2018年にどんな声をかけるんだろう...